麻雀界の最高峰「Mリーグ」
Mリーグは終盤に近づくと下位のチームは優勝や次のステージ進出の条件がどんどん厳しくなってきます。(これはMリーグだけではなく競技麻雀全体に言えることですが…。)
現実的に条件が達成できない状態になった場合を目無しと言いますが、その時に選手はどうするのか。
この記事ではMリーグにおける目無し問題について書いています。
過去にあった話と公式な見解もお伝えします。
「目無し」の状況になるのは決して珍しいことではありません。
Mリーグファンなら目無し問題を知っておくと終盤戦の試合の見方も変わってきますよ。
「目無し問題」は勝ち目がなくなった時にどうするべきかの問題
麻雀における目無し問題とは、対局において1位や次戦に進出する可能性が現実的になくなった場合にどうするべきかという問題です。
麻雀というゲームの特性上、点数差(ポイント)が大きく開いた状況で親番が落ちてしまうと、現実的に勝ち目(優勝など)がなくなります。
その場合はどのように打牌を選択するべきなのか…。
- 人の邪魔をしない打牌選択をするのか
- ツモ切りに徹するのか
- その半荘のトップを目指すのか
Mリーグが始まる以前から、競技麻雀ではたびたび「目無し問題」は発生しています。
勝ち目がない状況でどのように立ち回るのか、という問題です。
Mリーグにおける目無し問題について
Mリーグにおいてはレギュラーシリーズ・セミファイナル・ファイナルと終盤になると、現実的に勝ち目のない「目無し」の状況になるチームが出てきます。
トータルポイントの積み重ねで勝負が決まる以上、最終戦だけで大逆転というのはある程度の差ができると厳しいものです。
必然的に最終戦でやることがない状況に追い込まれることは仕方のないこと。
いかに最終戦を軽い条件で迎えられるかが鍵になってきます。
「目無し」の状況になるのは珍しいことではありません。
Mリーグでも過去に目無し問題で議論を呼んだことがありました。
過去にあった話
問題になったのは、Mリーグ2020−21シーズン・ファイナルの最終戦です。
2020−21シーズン・ファイナルステージは、風林火山・サクラナイツ・アベマズ・ドリブンズの戦いになりました。
最終戦を前に優勝チームは風林火山・サクラナイツ・アベマズの3チームに絞られ、ドリブンズは優勝どころか3位に入るの可能性もほとんど残されていない状況…。
ドリブンズはチームで話し合い、3位という順位に拘らずこの半荘のトップを目指すと決め、村上選手が登場します。
村上選手は半荘のトップにこだわり、南3局では風林火山・勝又選手に差し込みをします。
わざわざ差し込まなくても、ラス親の勝又選手はオーラスを伏せれば優勝の状況で、2位であるサクラナイツの親番を落としにかかりました…。
そして風林火山の優勝が濃厚となり、2位の争い、サクラナイツ対アベマズに注目が集まるようになります。
オーラス、現状2位のサクラナイツ・内川選手、3位のアベマズ・多井選手。
多井選手は700・1300をアガれば逆転2位となる状況でした。
Mリーグにおいては2位と3位で賞金が変わるため二人の勝負になるかとも思われましたが、この場面でアガったのはドリブンズ・村上選手。
半荘のトップを決めるツモアガリで幕を閉じました。
対局後、村上選手の打ち方に賛否両論が飛び交いました。
関係チームのサポーターだけでなくMリーグファン全体で、目無しの状況で村上選手がとった行動はどうだったのか…。
Mリーグにおける目無し問題がクローズアップされた対局になりました。
対局後、控え室で悔しさのあまり涙する村上選手に心が打たれました。
こんなにも悔しいトップは他にないでしょうね。
Mリーグの歴代優勝チームについてはこちらの記事をどうぞ。
公式な見解
今後このような事態を避けるため、Mリーグでも公式見解を打ち出しました。
引用:Mリーグ公式HP「Mリーグの使命・Mリーグの活動目的」より
- Mリーグは、チームにとっての最大の目標であるシーズン優勝、一つでも上の順位を勝ち取るために、チームと選手が一丸となって全力で競技に臨む姿勢を重視します。
- Mリーグは、チームのシーズンの順位はもちろんのこと、累年の成績・ポイント(累積ポイント)も未来永劫残っていく価値と考えます。
- Mリーグは、頭脳スポーツとして、チームの順位を向上させることが難しくなった場合においても、チームポイントを伸ばすために、全力で競技に臨む姿勢を尊重します。
公式の見解としては「チームの成績はこの先もずっと残るものだから、どんな状況になってもチームポイントを伸ばすために最後まで全力で打ちましょう。」というもの。
この見解を見ると村上選手(ドリブンズのチームとしての方針)は正しかったと言えるでしょう。
目無し問題はMリーグ以外でも
目無し問題はMリーグ以外の競技麻雀でたびたび発生しています。
特にタイトルのかかった最終戦は起こりがちです。
条件がなくなる状況になるとやることがなくなってしまい仕方のない部分も…。
その度に選手によってはオールツモ切りを選択する人もいましたし、邪魔をしないような打牌選択をしたりと様々です。
問題が起こるたびに大会のルールが改められたりして、選手がどのようにするべきか明確にされてきていますが、今後も難しい問題であることに違いはありません。
なお「麻雀の目無し問題」を初めて言及したのは、片山まさゆき先生の漫画「ノーマーク爆牌党」と言われています。
まとめ
Mリーグにおける目無し問題についてお伝えしました。
競技麻雀である以上、目無しの状況はどうしても発生してしまうものです。
選手はそんな状況下でもちゃんと考えて打牌を選んでいます。
「推しチームの邪魔をするな!」や「勝ち目がないならアガるな!」と思う方もおられるでしょう。
しかし麻雀は4人で行うもの。
卓上には4種類の思考があって然るべきです。
どんな立ち回りをしても選手が非難されることはあってはならないと思っています。
Mリーグも終盤になると「目無し」の状況になるチームが出てきます。
選手はサポーターのために必死で頑張っていることをファンも忘れず、どんな状況でもMリーグを楽しみましょう。
Mリーグを楽しむならABEMAプレミアムへの加入がおすすめです。
今回紹介した2020-21シーズンの最終戦も見ることができますよ。
ABEMAプレミアムについては記事も書いています。
今回は以上です。
にほんブログ村
コメント