日本競馬の年末ビッグイベント、有馬記念。
一年の締めくくりに行われるグランプリレースで、競馬ファンでなくても名前だけは知っている…という人も多いはずです。
「終わりよければすべてよし」とばかりに、一年の負けを取り返そうと大勝負をかける人がいる一方、
有馬記念そのものにたくさんの名勝負や感動のドラマが詰まっています。
この記事では、そんな有馬記念の歴史の中から
- 競馬ファンの間で語り継がれている名勝負
- 何度見ても泣ける“伝説のラストラン”
- 三冠馬や名馬たちが見せた圧巻のパフォーマンス
など、特に心を打たれた7つのレースをピックアップしました。
まだ競馬を始めたばかりの方でも楽しめるラインナップなので、
気になるレースがあれば、ぜひ動画でもチェックしてみてください。
有馬記念「名勝負&感動レース7選」

有馬記念の名勝負・感動レースを7つ選びました。
有馬記念の歴代の勝ち馬一覧はこちらからどうぞ。有馬記念(過去G1成績)JRA

競馬ファン歴25年以上やっていますが、僕の主観で選んでますのであしからずご了承ください。
紹介する順番に深い意味はありません。どれも素晴らしい有馬記念でしたのでランキング形式ではないのでご注意ください。
1999年|スペシャルウィークvsグラスワンダー「最強世代の決着」
「最強世代」
1995年に生まれた馬たちはそう呼ばれた世代です。
スペシャルウィーク・グラスワンダー・エルコンドルパサー・セイウンスカイ…、数々の名馬が生まれた年でした。
1999年の有馬記念は「最強世代」の決着をつけたレースです。
エルコンドルパサーが海外遠征で日本不在の間、日本競馬を盛り上げたスペシャルウィークとグラスワンダー2頭の勝負。
前回の対決は宝塚記念で、その時はグラスワンダーの圧勝。
ここは絶対に負けられないスペシャルウィーク陣営と鞍上の武豊は、相手をグラスワンダーだけに絞り勝負を仕掛けます。
さぁ勝つのはどっちか…。
2006年|無敗の三冠馬ディープインパクト「翼を広げたラストラン」
2006年の有馬記念。
史上2頭目、無敗の三冠馬・ディープインパクトのラストランです。
ディープインパクトは「日本近代競馬の結晶」と言われ、まるで飛んでいるように走り数々の大レースを制覇しました。
日本で敗れた唯一の敗戦が前年の有馬記念。
そのときのコメントで「今日は飛ばなかった…」と武豊騎手は言いました。
引退レースとなったこの有馬記念でディープインパクトは翼を存分に広げます!
3コーナーから4コーナー、最後の直線までたっぷりご堪能ください。
最後までファンに衝撃を与え続けてくれたディープインパクトは、その後種牡馬としても輝かしい成績を残しています。
2013年|金色の三冠馬オルフェーヴル「圧巻の8馬身差」
2013年の有馬記念です。
思い入れのある人も多いでしょう。
うっとりするような金色の綺麗な馬体をしながら恐ろしく強い馬!
…にもかかわらず、時には暴走・不可解な凡走をするときも。
破天荒なイメージがつきまとう三冠馬・オルフェーヴルのラストランです。
レース後、池添騎手が「この馬が世界一強い」と言い切るほど、ド派手なパフォーマンスで勝ち切ります。
しかもこの時の出来が80%だったというから、さらに恐ろしい…。
しかし、この馬でも2度の凱旋門賞挑戦で、2回とも2着で勝ちきれないとは…。

なんとか日本馬の凱旋門賞勝利の瞬間を見たいものです。

最近は海外遠征も増えているし、きっと凱旋門賞を日本馬が勝つ時が来る!
2014年|女傑ジェンティルドンナ「復活の引退レース」
アーモンドアイやリスグラシュー・グランアレグリアなど、近年牝馬の活躍が目覚ましいですが、歴代最強牝馬といえばジェンティルドンナを上げる人も多いでしょう。
牝馬三冠・史上初のジャパンカップ連覇・海外G1の制覇と文句なしの成績で女傑と呼ぶにふさわしい馬です。
ジェンティルドンナの引退レースとなった2014年の有馬記念。
世界ランク1位のジャスタウェイ・ジャパンカップ圧勝のエピファネイアなど豪華なメンバーに対し、敗戦続きでしかも中山競馬場が未経験のジェンティルドンナ…。
単勝は4番人気…。
誰もが苦戦を強いられると思いながらも、ジェンティルドンナが復活のラストランを飾ります!
G17勝の輝かしい成績を残してお母さんとなったジェンティルドンナ。
産駒の活躍が期待されます。
1993年|トウカイテイオー「これぞ奇跡の復活」
奇跡の復活といえばトウカイテイオーでしょう!
1993年の有馬記念です。
トウカイテイオーが一年振りのレースとなった有馬記念。
ジョッキーは田原騎手でした。
トウカイテイオーの主戦である岡部騎手は常々「チャンスのある馬に乗る」と公言していました。
その岡部騎手が選んだのは、その年の菊花賞馬・ビワハヤヒデ。
見方を変えればトウカイテイオーは岡部騎手に捨てられたという格好に…。
故障明け、一年間のブランク、主戦騎手は別の馬に…。
不安要素ばかりのトウカイテイオーが最後の直線でダービー馬の意地を見せます!!
レース後、鞍上の田原騎手が流した涙に感動したファンも大勢いました。

このレースは伝説…。

メジロマックイーンとの対決とか、トウカイテイオーはファンに愛された馬だったね。
1990年|オグリキャップ「伝説のラストラン」
感動の有馬記念といえば、1990年オグリキャップの引退レースが真っ先に思い出されますね。
地方競馬から中央競馬に移籍し、タマモクロスとの激闘やマイルチャンピオンシップからジャパンカップへのG1レース連闘など。
記録にも記憶にも残る名馬です。
しかしこの有馬記念があった秋のシーズン、オグリキャップは敗戦が続きます。
天皇賞(秋)は6着、ジャパンカップでは11着…。
「オグリは終わった。」そんな声も聞かれるようになりました。
有馬記念のオグリキャップ、単勝は4番人気。
背中には若き日の天才・武豊。
ファンの期待に応えるべく全盛期の闘志を見せます!
最後の直線で解説者が「ライアン」と叫んだり、実況がゴール後「右手を上げた、だげゆだが!!」と大興奮になってます。

ちなみに実際に武豊騎手が上げたのは左手です。
1977年|テンポイントvsトウショウボーイ「語り継がれるマッチレース」
日本競馬史上、最高の名勝負と言われるレースです。
1977年の有馬記念です。
「TTG」と言われ、トウショウボーイ・テンポイント・グリーングラスの3頭が抜けた存在でした。
中でもトウショウボーイとテンポイントはライバルで因縁の対決を繰り広げていました。
テンポイントはトウショウボーイにちゃんと勝った印象がなく、トウショウボーイが有馬記念で引退のため、何としてもここで勝たなくてはなりませんでした。
レースはスタート直後からゴールまで2頭のマッチレース!
絶対に勝ちたいテンポイント・絶対に負けられないトウショウボーイ…。
気持ちが激しくぶつかる、これ以上ない名勝負です。
この1ヶ月後、テンポイントに起こる悲劇を誰が予想したでしょうか…。

自分が生まれる前の有馬記念です。

こんなレースを見たいね。
テンポイントのような悲劇は見たくないけど…。
最後に
有馬記念はファン投票で選ばれた馬が走る“夢のグランプリ”。
ファンそれぞれの思いや期待、そして一年分のドラマを乗せて、毎年すさまじい熱気の中でレースが行われます。
まだ競馬をしたことがない方も、
せっかくなら今年の有馬記念だけでも「推しの1頭」を決めてみませんか?
・名前がカッコいい馬
・毛色がきれいな馬
・誕生日や馬番が自分のラッキーナンバー など…
理由はなんでもOKです。
レースが始まると、きっと想像以上にドキドキして、ゴール前では思わず声が出てしまうはず。
この記事で紹介した名勝負たちと合わせて、今年の有馬記念も一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。



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